2010年10月26日火曜日

虫の死刑,人の死刑

昨日のことだった
一匹の蛾が
部屋に迷い込んできた
命を奪うことなく
部屋から出してあげた
もしかすると少し弱ったかもしれないが

夏のことだった
部屋には蚊がいて
たたきつぶしていた
次から次へと命を奪っていた

2年前だったか
スズメバチの巣が裏に出来た
危ないからということで
業者に頼んで
巣を取り除いてもらった

虫は人に害悪を成したとき
殺されたり
住処を奪われたり
そもそも近寄らないような防衛線をはられたり
いろんな「刑」を受けるのだね

今日テレビで
死刑の求刑の話があった
死刑は重すぎると
弁護側は言った
ならばそれは懲役になるのだろうか

虫は害悪をなしたら
裁判もなく死刑にされる
それは害悪をなしたから
窃盗や殺人よりも
もっと些細な害悪だけど
そんな害悪をなしたから

蚊をためらいもなく殺す人類に
蜂は危ないからと駆除する人類に
どうして
死刑なしができよう
害悪をなした人間を殺してはいけない
害悪をなした虫は殺していい
同じ「生命」なのに


学校でも世論でも
死刑の有無を論ずる

そんなご時世だけれども
死刑反対と言って
貴方は害虫を殺していやしないか

死刑の賛否は多種あろう
けれど死刑に反対するなら
害悪をなした虫を殺していい理由もないはずだ
死刑をなくすべきならば
なぜ殺虫剤をなくさない
死刑がありというならば
人の肌にかゆい出来物を作った程度で
死刑にしていいのだろうか

人間は
人間以外の生命を
無意識のうちに差別する

日本は危うい
日本という名前がなければ
どこまでも冷酷になれるから
…そう、中島みゆきは歌った

ならば人間は危うくないか
人間という種でなければ
どこまでも冷酷になれるのだから
人間は危ういのだ
その生命存在そのものが危ういのだ

なぜ人肉を食してはいけないのか
その問の答えを差別以外に見出せない
誰か教えて欲しい
どうして牛肉は食べてよくどうして人肉を食べてはいけないか
どうして植物は食べてよくどうして牛肉は食べていけないと菜食主義者は言うのか
生命の差別以外の答えを

2 件のコメント:

大阪のオバチャン さんのコメント...

達哉んさんの主題からすこしずれてしまいますが・・・

仰るとおり菜食主義というやつは酷い差別ですね。
よりタチが悪いのは当人達が主義の異なる人間(この場合は非菜食者)をも意識無意識問わず差別する可能性が有る事です。
分かりやすい例が「マクロビ」です。
食育とか昔ながらだとか耳あたりのいい言葉を枕詞に宣伝していますが、日本語名称が「正食」という辺りからも分かるように差別的な思想です。
出産・育児の世界でかなり幅を利かせてきているのを素人ながら心配している次第です。
目指すところはさておき(栄養学的には問題山積とはいえ)自分達が正しくて他はダメというその思考が危険です。

人肉食(カニバリズム)が選択されてこなかったのは、倫理面も勿論ですが安定供給できない(自ら食べられたいと申し出る人は多くないでしょう)という理由も大きいと思います。
人食いの話は洋の東西を問わず出てきますが飢饉など特殊な場合が多いです。
有名どころは『アンデスの聖贄』『生きてこそ』(ドキュメンタリー)の元となっているウルグアイ空軍機571便遭難事故でしょうか。

人肉食がいけない最大の理由は健康への影響が未知(そもそも余り研究されていません)という問題です。少なくとも現時点では。
餌から生活場所から流通経路まで徹底的に管理されている食用の家畜と異なり、どこへ行って何を食べたかすら分からない人間を食用にするのは危険です。
万が一にもその個体がHIVや肝炎などの血液感染する病気にかかっていれば食べた者も感染する可能性が大です。

達哉ん さんのコメント...

>大阪のオバチャン さん
ありがとうございます。

なるほど、人肉食は「餌から生活場所から流通経路まで徹底的に管理されている食用の家畜と異なり、どこへ行って何を食べたかすら分からない人間を食用にするのは危険」なために良くない、納得がいきます。狩りなどをして野生の生物すら食べることが稀な現代、明らかに危険な人間を食用にするのは危険ですね。健康への影響はわかりませんし…。

私の文章でも最後、少しだけずらしたのですが、主題はやはり「人間の死刑」に反対する人がなぜ「虫の死刑」をするのか、あるいは「人間の死刑」に賛成する人でも蚊に噛まれたぐらいでその蚊を死刑にしているならばあらゆる人間を死刑にしないといけなくなる、ということですね。