2010年8月30日月曜日

「誰も書かなかった中島みゆき論」ベスト200を聞いてみよう その4

16位~20位。3/5を紹介したいという、私の好きな曲が並んでいます。

タクシードライバー:ランキング16位。先の「ホームにて」と同じぐらい長く聴いてる中島みゆきの歌です。事情を知らないタクシードライバーが、客である歌い手に対して、気を使っている様子、その苦労がよくわかります。こんなにわかりやすい苦労であればまだしも、そうでなく、もっと分かりにくい苦労がこの世にはあって、その「苦労人と見えて」というべき人が苦労しているように取られない、そして「迷惑だよね」と言われることもなく、ただ苦労を続けている。縁の下の力持ちの精神などといいますが、それでも、人間誰かに認められたいもの、ひとの「苦労」を見なければならないと感じさせてくれる曲です。

この空を飛べたら:ランキング17位。いろいろな解釈があるでしょうが、私はこの曲の難しい解釈や内容よりも、そこに詰まる思いの歴史性に惹かれます。過去から現代にいたるまで、空をとぶのは人類の夢でした。そして、それを実現した飛行機でさえ、その原理は解明されていません。流体力学を少々かじっていますが、それを使って無理やり理解しても、所詮は強引な理解、破綻してやっぱりわからない。そんな歴史性も含めて歌った歌なのではないか、と私は個人的に解釈しています。

帰省:ランキングでは20位ですが、私の中では現状不動のNo.1を誇るみゆきさんの超名曲。友人たちといったカラオケでもまず歌いますし、普段からずっと歌っているためか、採点モードでの最高得点をマークすることもよくある曲です。ふと気がつけば歌っていることもあるような曲です。私は、自分が色々と書く中で、人間のロボット化ということを書いていますが、この「帰省」の街人が正しくロボット化した人間ではないかと思うのです、そして、そういう人間につらいときに、ふと思い出すロボット化していない人間、それがふるさとですが、その人達に出会うことで、つかの間人を信じて再び頑張ろうという、その気持が痛いどころか、涙ぐむどころか、しばらく完全に動けなくなるぐらい、心に染み渡ってきます。ロボット化していない人間に出会って、つかの間人を信じたら、私は半年もがんばれませんが、しばらくの間がんばれます。だから、メールでもブログでもいいから、自分のことを心配してくれている人を始めとして、自分にとってロボット化していない人、故郷の人と話をして、自分を頑張る気にさせているのだと思います。「地上の星」や「時代」が有名な中で、「永久欠番」や「糸」のように壮大な曲がある中で、何よりも自分にしっくり来るかしなのがこの「帰省」です。初めて聞いたときには涙を流さずにはいられなかった曲で、今でも、噛み締めれば噛み締めるほど、自分の気持にしっくり来る歌です。

2 件のコメント:

つきみそう さんのコメント...

 タクシードライバーが、泣き顔を見て見ぬふりで天気予報が外れた話と野球の話ばかり繰り返すのも、苦労しているじゃなく、癒しているんだと思うんです。なぜなら、彼が苦労人だから。苦労したとき、そうして癒してくれた人とか物とか動物とか、そういう存在があって、今の彼がいる。だから彼は今、喜んで泣いてる彼女を癒してあげてるんですよ。自分の番が来た、ってね。

 泣いてる彼女も、いつか誰かを癒してあげるんだと思いますよ。

達哉ん さんのコメント...

>つきみそう さん
ありがとうございます。
なるほど、苦労人故に、その苦労がわかるから、その気持を…ということですね。

私も泣いてる彼女の立場だったことがあります。いつか、タクシードライバーの立場になれることはあるのでしょうか。そうありたいと思います。