2013年3月13日水曜日

「趣味の私信」入門 5.どうやって封をするか


封筒の封の仕方というのは、意外とこだわることのできる場所です。1通の手紙を作り上げる括りでもあり、ここをきれいに仕上げることで「手紙を仕上げた!」という気がすることもあります。趣味の私信ではどのように仕上げる方法があるか、ここでお話ししてみます。


封の仕方に先立ち、口の閉じ方のお話を。これは
「普通の封筒は水のりかでんぷんのり(または強めのスティックのり)、コーティングしているようなくっつきにくい封筒は木工用ボンド」
でくっつけると、途中で外れにくいので良いと思います。テープのりは意外と外れやすいのでお勧めできません。大きな茶封筒を使う場合、紙製ガムテープで閉じるとデザインですが、この場合は以下の「封」の必要はないように思います。瞬間協力接着剤は大げさですし、強すぎて相手が開けにくくなるような気もします(とくにペーパーナイフの場合)。

口を閉じるときには、全体をくっつけるのではなく、端に少し隙間を作り、ペーパーナイフで開けられるようにしておくと相手も開けやすくて便利です。端を細く切る人もいますが、この場合も端まで付けているより少し隙間があったほうが切りやすいように感じます。端までくっつけても開けられなくなるわけではないので構いませんが、洋型封筒等、のりしろが十分広いときには端に隙間を作るようにすると親切です。

さて、いよいよ本題の封です。
私が思いつく封の仕方は、以下の4種類です。
・文字
・スタンプ
・シール
・封蝋
それぞれについてみていきましょう。

文字というのは、直接その場に「封」や「〆」を書く方法です。一応男性と女性で使う文字に区別があるのですが、頭語・結語と違い気にしている人を見たことがありませんので、割と自由に使っていいように思います。それ以外の注意は、はっきり書くことぐらいしかありません。

スタンプは数多くありますので、好きなものをたくさん集めて使い分けたり2個以上押したりしても面白いかもしれません(2個以上の場合、デザインはよく考えないといけませんが)。封に使う場合は正方形ないし円形のものを買っておけば、どのようなのりしろにも対応できて便利です。横長楕円形/長方形はVの字になったのりしろに使いづらい印象があります。逆に、縦長楕円形/長方形は長型封筒全般や一の字になったのりしろに使いづらいと考えます。最初は正方形か円、慣れたら他の形とするのが無難ではないでしょうか。
また、オリジナルスタンプを作っておくと、封だけでなく手紙の括り等にもつかえて便利です。1000円もせずに作ってもらえるので、割と手軽なのも特徴です。もちろん、消しゴムはんこや芋判などを自作して使うのも楽しいです(ただ、芋版は日持ちしないのが難です)。

シールについては、便箋/封筒のデザインを元に決めるとよいでしょう。汎用性の高い「封」だけが書かれたシールなどもありますので、いろいろと見て決めるとよいと思います。汎用性が高いものは比較的安い印象ですので常に在庫に入れておくのも一つの手です。逆に、特定の封筒にしか使えないようなシールは、必要な分だけ買って使ったほうが余らずに済みます(もちろん、他の使い方ができることも少なくありませんから、別に余るのが悪いわけではないですが)。
「シールをはって封をするのは楽しいが、目上の人には失礼だ」と聞きます。確かに公の手紙ではそうかもしれませんが(そもそもそんな手紙にシールを使うべきだろうか)、私信ならばそれほど気にしなくてもよいのではないかと思います。ただ、さすがにキャラクターものなどは気が引ける人もいるように思うので、使うときには「封」だけのものや、音符一つ書かれただけのような、シンプルな(汎用性の高い)シールにしておくとよいと思います。

封蝋については、現在あまり一般的ではなくなってきました。「封蝋などという変なものを使って送るのは相手に失礼だ」などという、本来の封蝋の意味からすればまるで正反対の意見さえも見られるようになりました。もちろん封蝋は「割られていなければ途中で読まれていないことを示し、親展であることを弱めに示すこともある」というものであり、決して失礼なものではありません。ただ、上に書いたように、封蝋を変なものとして扱う人もいますので、そういう人には封蝋を使わないほうがいいでしょう(そもそも、手間のかかる封蝋を使った心遣いを無碍にするような人に、今後手紙を送るかどうか疑問符が残るところではありますが)。
逆に、仲のいい人や封蝋への理解がある人にはぜひ使ってみてほしいと思います。相手に驚き喜ばれること請け合いです。初心者の方は既製のシーリングスタンプとシーリングガンを使い、洋型封筒の封に用いるのが手軽だと思います。慣れてくると長型封筒に火あぶりで直接落とすようなこともできるようになりますが、慣れないうちは(難しいので)やめておいたほうがよいでしょう。慣れないうちにオリジナルスタンプを用いて、ワックスがくっついてしまうというのも悲しいです。ですので、シーリングスタンプ&ガン&洋型封筒をお勧めします。
ワックスの色は封筒と併せて考えればよいですが、アイボリーやブラックは柄が見えづらいので、送ったことが少ない相手には柄が見やすい色(ワインレッド・ゴールドなど)を使ったほうが楽しんでもらえると思います。スタンプの柄はお好みで。ただ、イニシャルを使う人が多いようです。
スタンプ同様、シーリングスタンプにもオリジナルがありますが、かなり高いので慣れてから検討してみてください(と書いていたら、私も2本目を考えたくなってきました)。

今回紹介したグッズ(他)は次回紹介しますので、それまでお待ちくださいね。

0 件のコメント: