2010年9月15日水曜日

読まなくなった、は本当か?

本を読まなくなった時代ですが、我々はそんなにも読んでいないのか、と考えると、本は確かに読んでいないのかもしれませんが、その他で多くのことを読んでいるように感じます。
私は(時間の観点から言って)文章を読んでいる時間と文章を書いている時間がほぼイーブンですが、大抵の人は何かしらの文章を読んでいる時間の方が長いのではないでしょうか。各種サイトにしろ、辞典で何かを調べるにしろ、新聞を読むのもしかりで、読む時間は随分見受けられるように思います。

読み書きが基本と言われる教育で、読書をしない読書をしないと常々騒がれています。これは別に今の時代に限ったことではなく常々だ、と私がお世話になった先生が仰っていましたが、現在は読むことの多様化が「読書」の時間を減らしているのではないかと感じます。別に多様化した「読む機会」が読書の効用と同じものをもたらすとは言いません。しかし、単純に文章を読むという観点からすれば、メディアの多様化から全体的な読む量が一定のまま読書に割かれる量が減っていると言えるように思います。であれば、読書から得られる様々な点はともかく、「文章を読むこと」については別段大騒ぎする必要はないのではないかと思います。読書自体によって得られる人生の追体験などという点に入ればまた話は変わってくるでしょうが。

私自身は結構本を読んでいて、なんだかんだで結構な量の書籍を読んでいますし、他の文章を読むことも含めればその量は相当なものになります。本屋に行くと何かしら欲しい本があって、古本屋はなおさらです。専門書・教養書・新書・文庫等色々と読んでいますし、「見る」本もいくらか読みますが、様々な分野に臆することなく読むことで、随分楽しめます。

読書だけではなく、色々なことで文章を読む機会の多い現代では、これから訪れる秋を「読書の秋」とするのではなく、「読文の秋」とする方が面白いかもしれません。

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