2010年8月9日月曜日

柔らかいペン先

pen and message店主、吉宗氏が先日、柔らかいペン先に関する持論を書いていらしたので、私も書こうかと思います。
氏によれば、「万年筆のペン先は、柔らかければ良いというものでもありません。」、「万年筆の書き味を硬い、柔らかいで、表現することも共通の言語として確かにありますが、書きやすさの表現はそれ以外にもあるのかもしれません。」「結局は、先入観に囚われることなく試し書きをして、自分の好みを見つけるということでしょうか。」ということで、いずれも賛成です。


私はエドソンが主力ペンで、言うまでもなくガチガチに硬いペンです。エドソンを柔らかいと表現した人は私の知る限りはいません。ということで、硬いのが好きなのかと聞かれるはずで、私はまさにそのとおり、硬いのが好きです。でも、私はものすごく柔らかいペンもまともに使えるほど筆圧が低いです。2009年のペントレだったか、つきみそう氏とル・ボナー店主が「ふしだらな」と表現していたふにゃふにゃペン先。ほんの少しの筆圧で曲がってしまうようなペンでしたが、問題なく筆記できました。この前、友人からスワンのレバレスという、とてもペン先の柔らかいペンを借りましたが、こちらも筆記するうえで実用に困ることはありませんでした。


ですが、レバレスを借りたときに友人に言ったのは「このペンは良いペンで楽しいが、実用に向いたペンではない」ということです。柔らかいペン先に総じて言えることだと思いますが、ふにゃふにゃで筆のような感覚を楽しむのもそれはそれで味なのですが、実用的なペンとしては、速記にも向かないし、かくときに注意を払う必要があるしで、あまり向いているとは思いません。私のようにガシガシ速く書く人間にとっては、絶対に硬いほうがいいと思います。まして、鉛筆教育などで筆圧が強い現代人ですから、柔らかいペン先は実用性がないと思います。


柔らかいペン先は本当に楽しむためだけのペン先である、と私は思っています。吉宗氏は柔らかいペン先を初心者に進めていませんが、そのとおりで、柔らかいペンというのは、万年筆趣味の人がそれをただ楽しむための目的で使うほうが向いているのだと思います。以前のfuenteオフ会で、万年筆について深い知識を持つ方々が、柔らかいペン先のペンは筆圧の高い人に使わせなければしならないから意味が無い、と言っていましたが、しならせる書き方では実用性が高いとは言えないと思っています。しなるところに楽しみがあることは否定しえない事実ですが、しなるように書くのではもはや筆書きで、現在(万年筆書きもそうですが)万年筆よりも実用性が低いと思われる筆書きであれば、使いにくくても仕方が無いと思います。


布教の人間としては、やはり万年筆はそれなりに硬いものがいいと思います。そういう意味で、最近のペンは布教に使いやすい。逆にヴィンテージの柔らかいペンは、もっともっと、万年筆を多く楽しむために使うものだと思います。

2 件のコメント:

つきみそう さんのコメント...

 ペン先の柔らかさ、ということについては、誤解されて
いる向きも多いのではないかと思っております。

 柔らかいという人がけっこういるペリカン。ほとんどの
ペリカン製萬年筆は硬いペン先ですが、フローをよくする
ことで柔らかいタッチになります。普通の人が柔らかいと
表現するのは、このタッチの柔らかさだろうと思います。

 で、撓るようなペン先、これに筆圧かけて書くような、
そんなヘンタイはあまりいません。ヘンタイはむしろ、
筆圧がほとんどないような書き方をしますから。

 PILOTのエラボーとか、FAペン先とか、私には
全くといって良いほど柔らかく感じられないのです。あぁ
これで立派なヘンタイだ、と途方に暮れました。

達哉ん さんのコメント...

>つきみそう さん
いつもコメント有難うございます。
柔らかいに二つの意味がある、というのが(ここでは面倒なので述べませんでしたが)私の意見です。連覇さんなど、しならせるのが好きで、しなるペンを柔らかいと表現されます。これは文字通りしなるほど柔らかい、と。

一方で、つきみそうさんの言われる通り、タッチが柔和なペンを柔らかいと表現する人もいます。しなやかというかふんわりというか、そんな感じのペンですね。

エラボーやFAペン先、あるいはソフト調ニブは前者、いわゆる現在のペリカンは後者だと思います。

しなるペン先の「柔らかい」ペン先、しならせずに書く楽しみも無論知っているのですが、しならせないようにするのに気を使うほど柔らかいペンはしんどいんじゃないかな~と思ってます。とはいえ、私は師匠曰くほぼ無筆圧なので問題ないですが…。