2013年2月14日木曜日

SNSでの"出会い"は難しい

FacebookにMixiといったSNSが随分浸透し、デジタルに疎いと言われる人さえも使うようになって来ました。そして、そんな中で「新しい出会いを求めて」SNSを使う人も増えてきました。でも、それは少し難しいことだと思います。今回は、これについて少し書いてみます。

SNSはSocial Networking Serviceの略で、リアルでのつながりをネットでも構築する、というサービスのことを言います。つまり、実社会で何らかのつながりのある(同窓生・上司・部下・(元)恋人・友人・旧友etc...)人を登録することによって、自分と関連のある人のコミュニティをインターネット上に作るものです。従って、SNSは関係を作るものではなく、既存の関係をもとにしてコミュニケーションを図るためのツールなのです。(なお、Twitterは不特定多数の人のつぶやきを見るものですので、厳密にはSNSに入るとは言いがたいところがあります。)

登録制のSNSもありますが、招待制のSNSもあります(mixiもかつてはそうでしたよね)。これは、SNSが"招待を受けられるような関係がなければ使えない"という意味ですから、なるほど、既存の関係に依存したものであるという事ができます。もちろん出会いに活かすことも可能なのでしょうが、SNSの元の目的が既存の関係を強固にしてコミュニケーションを図るという事から考えると、出会いに向いている機能があると期待されても困るよなぁ、という気がしてきます。

しかし、機能がないという事以上に、SNSでの出会いが難しい要因は認識にあります。「新しい出会いを求めてSNSを使い始めました」という人は、大抵の場合、SNS初心者です(そりゃ、使い始めたばかりならそのはずですよね)。そして、そういった初心者は、"出会いを求めて"という段階で古参の人との認識にずれがある。古参の人は、大抵の場合"知り合いを用いて"というSNSの元の風潮に従ってコミュニティを構築しています。これは、もちろん、SNSに関する知識もありましょうが、SNSの提供している各種の機能から比較的自然に醸成される考えでもあります。ここにずれがあるから、なおのこと「出会いを求めて」SNSを使うのは、難しいこととなるのだと思います。

要するに、SNSは現在つながりのないところにつながりを作るのではなく、何らかの(極僅かでも良いから)つながりのあるところを強化するだけなのです。そういう意味では、SNSは「つながりを何倍にも増強するツールなのだ」と考えたほうが良いでしょう。

出会いを求めるならば、Twitterやブログ、イベントサイトや(同じ趣味の人ばかりの)特定カテゴリSNSなどを用いて、まずコミュニティを広げることだと思います。ネットで出会って、オフ会などで話す。ネットを用いてコミュニティを広げるなら、SNSを使うよりこっちのほうがよっぽど手っ取り早いように感じます。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

パラグラフ3に関しては招待制のSNSについて以外では成り立たないのではないでしょうか。

またパラグラフ4では、出会い目的のSNS初心者同士が出会うというパターンを無視しているように思います。

そして、SNSはインターネット上で社会的なつながりを構築するもので、「リアルでの」というニュアンスは一般的には含まれていません。

たしかにSNSでの出会いは難しいですが、その原因はこの記事上であげられているものよりも、もっと別のところにあると考えられます。

通りがかりのものの戯言ですが、いかがでしょうか。

達哉ん/Tatuyan さんのコメント...

>匿名の方
ありがとうございます。あくまで、その定義から考えた原理として書いてみました。
確かに、招待制以外だと出会いの機能についてある程度考えられているものもあるので、わからない部分があります。また、初心者同士の出会いというのもありますし、「出会い系サイト」もある種SNSですので、そういう例もあると思います。

一応、今回書いたSNSはFacebookやMixiを想定しましたが、もっと一般的にはいろんな物があって、出会いに適したものもあるように思います。また、出会いが難しい原因については、この記事に書いたよりもずっと深い考察が必要だろうともおもいます。

ご意見ありがとうございました。

Mizukama さんのコメント...

私はあまりSNS使わないが、この記事は論理的でないように思う。TwitterやブログはSNS的な使い方が可能だし、おそらくこの記事で言っている「SNS」は、特定カテゴリでのコミュニティーを構築する機能も内蔵している。

あと、「リアルでのつながり」とか「出会い」などの単語は何を指すのか曖昧なところがある。だから混乱する。「リアルでのつながり」と言うのは、例えば普通なら紹介されないような"友達の友達"みたいな関係を含むのか。同じ趣味を持つ、同じサイトを閲覧した、程度の共通点でも「リアルでのつながり」と言うのだろうか。「出会い」とは結婚相手のことか、簡単な仕事を依頼できる人間のことか、そういった点も不明である。

達哉ん/Tatuyan さんのコメント...

>mizukama さん
ありがとうございます。
確かに、曖昧なところがありますね。

SNSについて、Twitter等をどうするかは悩ましいという意見もありますよね。どのようなものをSNSにするのかというところについて、本来はもっとしっかり論じるべきだと思うのですが、そこまで長々書く元気がありません。

どの程度の関係にするかというのは使い手が決めることだと思うんです。ただ、実名登録を旨とするようなSNSだと、知らない人同士の出会いには難しいのではないだろうか、という。

SNS、多種多様で、正直その実態はつかめません。ただ、一般によく言われるFacebookやMixiにおいては、やはり自分が出会った人を中心としたコミュニティが主目的ではないのかな、って思うんです。