2011年10月31日月曜日

Welcomeを誰でも言われている世界に〜中島みゆき歌詞の解釈(11)


中島みゆきは、自分の歌詞の解釈を聞き手に任せます。それは、私にとって嬉しいことであり、私もその精神に則って、自分なりの解釈をしていこうと思います。

解釈は人によっても異なりますが、時によって異なり、心によって異なり、状況によって異なるものであると思います。同じ曲を複数回出すこともあるかも知れませんが、それは状況や時が変えたということと考えてください。

ファンの方ならタイトルからお分かりになったかも知れませんが、「誕生」の解釈です。歌詞はこちら

ベストアルバム、ライブアルバムまでいれて、いろんなアルバムに入っている曲ですが、EAST ASIAの5番というのがオリジナルアルバムです。このEAST ASIAは、幾つかのサイトで「一番オススメのオリジナルアルバム」と書かれていたりする名盤で、表題曲はじめ、浅い眠り、誕生、二隻の舟、糸、とファンにもファンでない人にも人気が出そうな、すばらしいメンバーが揃っているCDです。


この曲、解釈としては大体
「失恋を描いたようでいて、その中で人間愛を描いている」
というところです。大抵のサイトでそうですし、私もあまり代わり映えのしない解釈です。失恋と人間愛を対比させている解釈、という点では、あまり大きな違いの解釈をできそうにありません。


この曲で最もポイントとなる歌詞は、
「Remember 生まれた時 誰でも言われたはず」から「生まれてくれて Welcome」に至る部分
ではないでしょうか。この点について言及している解釈を多く見ましたし、私の解釈もこの部分についてです。


この部分は、中島みゆきの思いとして、誰しもを受け入れるような、そういう人間愛を描いていると言われます。それはもちろんなのですが、私はもうひとつ、別の思いを考えました。


この件は、願いではないのかと。
生まれてくる全ての人がWelcomeと迎えられること
全ての人がWelcomeを言われるべきなのだ、と。


児童虐待や中絶を考えればわかるとおり、生まれることを望まれない子供もこの世には少なからずいる。
それに危惧を覚えているのではないでしょうか。
誰でも言われた「はず」
その2文字に、私は中島みゆきのこの歌詞が願いを示しているのではないかと思ったのです。


言われたはず。それは、言われていることを願っていることに通じる言い方です。誰でも言われた「こと」ではなく言われた「はず」にしたところが願いであるのだと私は思うのです。


全ての人がWelcomeを言われる時代に、世界になっていって欲しいと思います。

※ この解釈は、あくまで私の一解釈であり、正しい・誤りであるというのを書くものではありません。一つの見方として受け取っていただければ幸いです。


※ 扱って欲しい曲がありましたら、コメントでお書きください。

※ 他の解釈が載っているサイト、もしくは自分なりの解釈がありましたら、コメントでお書きください。

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