2010年10月8日金曜日

「誰も書かなかった中島みゆき論」ベスト200を聞いてみよう その8

51位~60位。このあたり、聞いたことのある曲が少なくなってまいりました。

愛から遠く離れて:51位。「愛から遥か遠く離れて生きるとき」、それはある意味では愛情を感じにくいような集団にいるようなときではないかと思います。愛情があっても、それをつかめるように感じないとき、我々は愛から遠く離れているのだと思います。そんな時に、「船が出るかもしれないから」、その時を待ち続けて、時間がわかったら余計にしんどく感じるから、時計を捨てようと、そういう事なのでしょうか。しんどい時、どうしていようか…そんな問の一つの答えのように感じます。

カーニヴァルだったね:56位。「注がれる酒に毒でもあれば...」、私自身幾度か、「飲めぬ酒を無理に多くのみ絶命しよう」と考えたことがあるから、非常に強く響いたフレーズです。なぜここにいるのか、なぜ生きていなければならないのかと辛い時があったことで、この歌詞の辛さが感じられます。カーニヴァルだった、そんな以前に比べて、今は苦しくてしんどくて…。過去をカーニヴァルであるかのように美しく感じるのは私だけではないのでしょうか。

MEGAMI:58位。「見返り無用の笑みをあげよう」というのが残ります。見返り無用の笑み、というのは人間が無限に持っている愛情の本来の与え方を示しているような、そんな気のする歌です。だから「女神」なのだと。人間が本来持っている愛情を、人間の性にとらわれることなく無償で分け与えようと言う、だからMEGAMIなのだと思います。愛情、それはどうあるべきかを歌っているように思います。

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