2011年1月25日火曜日

インクミキシングの基礎

今日は友人に以前リクエストされたインクミキシングについて、私なりの方法論を書いてみようと思います。インクミキシングについてプロというわけではないので、完全に正確と言い切れない点はご容赦ください。

まず、万年筆スタイル2(ワールドフォトプレス・2005)より「自分で混ぜてもいい色のインクができません」、これはたしかにその通りで、そう簡単にできるものではありません。この事を理解した上でこの文章をお読みください。

ミキシングに使えるインクはそう多くありません。大抵の会社はインクを混ぜることを是としていないためです。先人の知恵などで混ぜられているインクもありますが、会社がある程度認めているインクの方が無難であると思われます。この場合、使えるのはセーラーのジェントルかプライベートリザーブに限られます。

これらを混ぜるときには、まず多色混合を避けることを推奨します。さらに、0.1ml単位で、適当な注射器等を使って精確に量ることも必要です。この2点から、主に私の方法を説明します。

まず、つくりたい色を実行するための2色を定めます。次に、その2色をどのぐらいの比率で混ぜればよいかを定めます。これには、1:1,1:2,1:3あたりのブレンドを作って試し、どの色が近いかを考えればよいでしょう。2色を端点とする線分について、どこで内分するかを定める作業です。多色混合の場合は、三角形や四面体を考えてやりますが、非常に難しいです。せいぜい3色、4色以上の場合は3色+隠し味ぐらいでしょう(私自身、4色混合はひとつしか作ったことがなく、それとて隠し味でしか使っていない色が二つあります)。

このとき、必ず比率をメモしておくことです。そして、いい色が出来たら、その比率で混ぜ合わせればよいのです。比率が変わると色が変わりますから、ここをできるだけ精確にします。

混合の際のポイントとして、あまり複雑な比率になってしまいそうな場合は、1から作り直すほうが無難です。例えば、ああでもないこうでもないとして、色Aと色Bの比率が2:7になってしまったとします。これでもまだしっくりこない場合、これに足していくと比の計算が面倒になるので、1:4としてから作り直すほうが良いでしょう。

比率の近似方法については、貪欲法でエジプト式の分数になおす場合(そのうちブログに書くかもしれません)のことを考えるのが最もよく、1/(n+1)<比率<1/nとなるようにnを定めるのが良いでしょう。

これらのことをして、比率が出来たらそれを忘れずメモして、今後も作れるようにするのがいいと思います。

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