自分より優秀な人に囲まれて
自分を小さく感じる独りの夜
劣る自分の行く道に
漠とした不安だけしか見出せず
歩みを止めたくなる独りの夜
前へ歩むのは怖いことだ
今この瞬間に安住したい
流れる時を止める術などないのに
安心の今を永遠にと
後ろを向いている
旅立つ若人に声援を
伴侶見つけた友に祝言を
大役全うした先達に気遣いを
関わる全ての人に心を贈るも
私はなんだか気後れしていて
臆病で卑小だから不安を拭えはしないだろう
蒙昧で暗愚だから道に光は見出せぬだろう
立派に歩む人に煌々と輝く光に
自分の道はいよいよその漆黒を顕にする
だから私は笑顔を求めた
自身に留まらぬ周囲の笑顔を
だから私は声を求めた
自身からに留まらぬ周囲からの声を
道の暗さは変わらない
それでも笑顔と笑い声があるなら
まだ幾分か歩みやすいかもしれない
笑い噺を聞き始めた
我が門に福が来るように
笑い噺をやり始めた
道角に福が来るように
私に関わってくれる全ての人に
笑いを届けたい
その笑いが自分の暗さを吹き飛ばしてくれるように
私に関わってくれる全ての人に
心からの声を届けたい
それがいつか自分への心の声に転じるように
自分にお似合いの馬鹿噺を
初めて大勢の人に聞いてもらえる
今、笑いの仮面をつけよう
それがいつか自分の顔になると信じて
周囲を楽しませることは勿論
それが自分の道を照らすと信じて
<お知らせ>
達哉んは素人落語家「喜笑亭 算茶子(きしょうてい さんざし)」として、桂文之助落語塾発表会で初高座になります。皆様のお運びをお待ち申し上げております。