2010年9月9日木曜日

夢とスナック

夢を裏切り続け
挙げ句心配ばかり
そんな息子でも
父にはかわいいのだろうか

帰る度
色々と準備して
ちょっと強引と思うけど
何かしてくれる父

スナックへ
今回は連れて行ってくれた
酒の飲めない私
父は本当は一緒に飲みたかっただろうけど・・・

スナックで
父はにこやかに
ママと話していた
その中にふと私のことを聞いた

息子はいつまで経っても
自分の息子であり
子供に見えるものだと
父の言葉はそう聞こえた

もどかしいと思うだろう
息子のやることを
情けないと思うだろう
息子の世間知らずを

父の夢を裏切り
自分の道を行く
世間知らずな息子
親不孝者と言われても仕方ないのに

父は笑っていた
息子のふがいなさを語りながら
それでも息子を愛するように
父は笑顔だった

スナックの中で
父はいった
将来旅行に連れてってくれと
私のできる親孝行だろうか

父を残しての
スナックの去り際
この親不孝な私を
父はどう思ったろう

酒も飲めないのに
白髪に悩む息子を
父は滑稽と思ったろうか
スナックからの早帰り・・・

アルコールは無理でも
父の横にいることが
もしかしたら親孝行かもしれない
酒席が苦手で飲めない息子でも・・・

どんな息子が良かったろう
今の私はそれとどう違う
父にしか分からないそこに
夢を裏切った自分がいる

はじめてのスナックを去り
帰路につく中で
一つの言葉だけが反芻していた
夢を裏切った息子

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