暑中見舞いを書いて
いつもどおり出したけれど
何通か宛先不明
年賀状の時はと
年賀状を見ようにも
年賀状は来てなくて
宛先は不明のまま
自分の書いた字が目に入る
かつて自分が無碍にしてきた
古い友人を思い出し
ふと彼らもそうだったのかと
わかったように思えてくる
気にもとめてなくて
いつの間にか音信不通で
もうとうの昔に
絆も切れてしまっていて
絆の切れ目はもしかすると
宛先不明だったのではと
取り戻せない切れた絆
もう戻らない切れた絆
何かの偶然で
幸運に戻ることに
賭けてみるしかないのだろうと
宛先不明の友に
まだメールが通じるならば
メールしてみようと思う
迷惑だったら
返ってこないだろうし
私など気に止める価値もないなら
やはり返ってこないだろう
あるいは罵詈雑言だろうか
ともあれ
少しメールを送ってみよう
切れた絆の初めは
もしかすると宛先不明
それならひとまず
宛先不明をなくすことから
そう思って
まずは何かアクションを
それが裏目にでるかもしれないけれど
ふとメールに目が行く
暑中見舞いが無事届いたと
お前も大丈夫かと
お前も元気かと
お前も相変わらずかと
嬉しかったと
そう書かれたメールに思わず涙する
大丈夫だと
元気だと
変わらずやっていると
必ずしもそうとは言えない
自分の現状を
情けなく思いながら
もう何通か
書けていない暑中見舞いがあったはず
白髪が増えて
苦労したのかもと
笑いながら書こうか
それとも
昔のことが懐かしいと
少し寂しく思いながら書こうか
それはその時次第だけれど
宛先不明にならないことを
今は心から祈るしかない
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