2013年2月20日水曜日

「趣味の私信」入門 1.まずはハガキでお手軽に


今回から、具体的な私信の中身について、お話ししていこうと思います。と言っても、フォーマルな手紙と違って、例文なんかをずらっと並べるようなことはしません。例文に縛られないほうが、さらさらと書けるような気がするからです。

私信の入門編として、最初はハガキやポストカードで短信を書くのが良いでしょう。ハガキなら1面、ポストカードなら半面ですから、書けることはかなり少なくなります。最初は長く書くのは難しいですから、「沢山書かないといけない」と思ってしまう便箋より、手軽に書けるハガキ/ポストカードを使ってみるのが一番です。


葉書/ポストカードで手軽に書く場合、頭語をつけて、形式に従っているとまず書ききれません。「それっぽく」したいなら「前略か」ら書き出し、そうでなければ「お元気ですか」とか「ご無沙汰していますがいかがお過ごしでしょうか」ぐらいで書きだしたほうが砕けて読みやすいかもしれません。季節感を出すにしても、「寒い日々、風邪などひいておられませんか」「茹だるような暑さで団扇が必需品ですが」などと、砕けた形で書きだしてみましょう。頭語・結語付きで葉書にまとめるのは至難の業ですので。

書き出しのあと、本文として何か書きたいことがあるなら「こちらは相変わらずです」とか「私は元気です」と自分の近況はごく短く済ませ、本文に入ったほうが良いでしょう。一方、これという本文が無いのであれば、近況をもう少し詳しく書いて、それに関連する話を書くとよいでしょう。例えば「最近は本ばかり読んでいます。特に面白かったのが「つむじ風食堂の夜」という話で、なかなかに楽しく読めました。○○さんのオススメの本はなんですか?」とか「美味しいお店を見つけました。もしよければ、今度一緒に行ってみませんか。のんびりと楽しいひとときを過ごせると思います。」などです。(なお、手紙の二人称は○○様と書くのが普通ですが、ここでは少し砕けた感じで「さん」としてみました。)

括りは相手の体への気遣いと、親しい相手なら「また会いましょう」を書くと収まりが良いです。カタい書き方なら「季節の変わり目、風邪をひきやすい時期となります。どうぞご自愛くださいませ。」とか「寒さ厳しい折、お体ご丈夫になさってください。またお目にかかれる日を心待ちにしております。」などでしょうか。砕けた書き方だと「暑さが続くようです。夏バテなどなさらず、お互いに元気に過ごしましょう。また今度会える日を楽しみにしています」とか「めまぐるしい日々ですが、無理をせず、心身とも健康になさってください。また今度、元気な姿で会いましょう。」等もありだと思います。

結語はなくても良いと思いますが、書くならば前略に対して「草々」でしょうか。本文が長くて結語を書くスペースがないなら名前だけでも良いかもしれません。ワンポイントですが、名前の後に「拝」をつけたほうが丁寧に思われるようです(実際、謙譲の意味があるのですが)。葉書なので、このへんは無理に書かなくてもいいかな、と思います。

本文に「○○へ」と書く場合、普通は結語の後に「○○様」と書いて、その後に「○○拝」などとするのですが、別にそこにこだわらなくても良いかな、と思います。一番簡単には、最初に「○○さんへ」と書いて、最後に「○○より」でしょうか。葉書で私信を送る時には、スペースもありますから無理に書かなくてもいいでしょう。

宛名面は、一般的な書式に。多少遊んでも良いですが(絵を書いたりする人もいます)、はっきりそれとわかるように宛名を書くことが大事です(届かないことがあるようですので)。また、必ず自分の住所と名前を書いておきましょう。何らかの理由(宛先不明など)で届かなかった時などに返ってきますので。

最後に、葉書とポストカード取り混ぜて何種類か紹介しておきます(あくまで一例に過ぎませんが)。
鳩居堂の葉書
月光荘のユーモアカード
古川紙工の紙々のはがき箋
寺田順三さんのポストカード
Skywindさんのポストカード

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