2012年8月6日月曜日

空美の下で

夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
それを少し斜めにして
楽しむ人たちがいて

夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
その真下では見えぬまま
美のみを思う人がいて

道を歩いてきて
とうに花火は見えなくなった
道を歩いてきて
とうに虹は消えてしまった

往く道は良く見えるらしい
人はそれを華といい
人はそれに賛辞を送る
その華は自分に見えないけれど

歩き来る道で
交わったものは数えきれず
今や顔さえ思い出せず
今見てわかるはずもなく

道々に見し美は
もう見える場所に居ない
それでも道は
未だ前に続いている

見えなくなった美の便りを
今そっと受け取って
帰れぬ道を省みて
歩はそれでも前にのみ


夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
道歩んで見えなくなり
自分の上にあるかもわからず


夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
その下で独り歩き
荒野広がる

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