雨後空に虹が咲き
それを少し斜めにして
楽しむ人たちがいて
夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
その真下では見えぬまま
美のみを思う人がいて
道を歩いてきて
とうに花火は見えなくなった
道を歩いてきて
とうに虹は消えてしまった
往く道は良く見えるらしい
人はそれを華といい
人はそれに賛辞を送る
その華は自分に見えないけれど
歩き来る道で
交わったものは数えきれず
今や顔さえ思い出せず
今見てわかるはずもなく
道々に見し美は
もう見える場所に居ない
それでも道は
未だ前に続いている
見えなくなった美の便りを
今そっと受け取って
帰れぬ道を省みて
歩はそれでも前にのみ
夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
道歩んで見えなくなり
自分の上にあるかもわからず
夏空に花火咲き
雨後空に虹が咲き
その下で独り歩き
荒野広がる
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