新潮文庫「ゆかいな数学者たち」です。
現代数学になると扱える内容が減るせいか、すばらしい…に比べて雑談というかウラ話というか逸話というかが多くなっている気がします。その分、数学という感じは薄れて楽しめるので、数学が苦手である、嫌いであるという人にも楽しめるのではないかと感じた次第です。ただ、私は、もう少し数学的色彩があったほうが良いと思いました。少々わがままな要望なのですが。
内容については、生の数学史としても結構価値ある本であると思いますので、啓蒙書とはいえ侮れません。これを書いた当時から30年を経て、この本の内容も近現代の数学史という感じになった気がします。私などの年齢からしますと、この人びとが生きていた時代はそう遠くなかったのだなと感じます。
一つ気になるのは、前著が敬体文末であったのに対して、こちらは常体文末であるところです。シリーズ物のように見受けられますので、統一して欲しかったところです。
古本で手に入るようなら、一度読まれてみては如何でしょうか。とりわけ、「すばらしい数学者たち」を楽しめるなら、この本はその続編といったところですので、楽しめることと思います。
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