このシリーズでは、春に訪れる様々なシチュエーションに合わせた万年筆を紹介します。現行の万年筆という制限をつけて、贈り物としても自分で購入するにしてもふさわしい万年筆を紹介していきたいと思っています。昨年も似たことをしましたが、今回は値段などの制限を全て払っていて、純粋に「あるシチュエーションで手にすると良い万年筆」を紹介していきます。
卒業はそこまで学んできたことを一通り達成し終えたということです。学んできたことはある意味の遺産として、その人の中でずっとずっと受け継がれていきます。
遺産の相続。その名前を持つペンが「レガシーヘリテージ」です。
(こちらの写真はpen and message(https://www.p-n-m.net/contents/products/FP0125.html)より転載させていただきました)
レガシーヘリテージはシェーファーのシリーズで、レガシー及びレガシー2の後継モデルです。そこに引き継がれているのは、レガシーを卒業しながらもレガシーであり続ける姿です。卒業したときに、今までいたステージで形作られてきた自分というものは、たとえ時代が変わってもいつも根底に置かれているものなのだということを、名前とこのペンの進化から感じ取ることができます。
独特の書き味は好き嫌いがわかれるかもしれません。フォルム自体も賛否両論あることを知っています。けれども、シェーファー、レガシー・ヘリテージはたしかにその中に卒業を感じさせるペンなのです。その独自性は常に断固として存在していて、それはさながら卒業しても自らの個性が常にあるかのようなものだと思います。
1本だけでいいから、卒業に際して、何か一生涯使えるペンが欲しいというならば、レガシーヘリテージは十分すぎる候補だと思います。
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次回は3月8日、卒業への万年筆(2)というタイトルでお送りします。
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