第6巻下、(初版では)504ページにある言葉で、おそらく第6巻の最後を飾るには最もふさわしいものかと思う、ハーマイオニーの言葉です。長いのですが、「私たちがそうしたいなら、ひき返す時間はあるって。その時間はもう十分にあったわ、違う?」が全文です。
この名言シリーズは物語を読み解くという意味からの名言を上げているわけではないので、この文の何が名言なのか、という気もします。しかし、これは別に物語に限らず、何かの局面で自分を奮い立たせてくれる名言だと思います。
周到な準備の後、自分が何かの挑戦をしようとするとき。資格試験でもなんでもいい。あるいは、万年筆を買う言い訳にも使える。そんな言葉だと思います。自分がそうしたいならば引き返す時間は、もう十分にあったのだ。その一言で、自分の決意をはっきりと確かめることができるように思います。
そして同時に、この言葉は厳しい言葉でもあります。自分が飛び込んでいくときに、言い訳のできない状況を作ってしまうからです。その「十分にあった」時間でも、引き返すことを選択しなかったのだから、自ら耐え抜かねばならない、という厳しさを自分につきつける言葉でもあります。
それでも、何か大きな、それでいてやり終えないといけないことをやるときには、この言葉が大事だと感じます。物語に置いても重要なファクターですが、自分自身に置いても重要な言葉、それがこの「その時間はもう十分にあった」だと思っています。
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