2013年3月9日土曜日

「趣味の私信」入門 3.封筒に便箋で出す私信:封筒と便箋の選び方


便箋・封筒をどうやって選ぶか。これは一見小さいように思えて、意外と無視できない問題です。個人の好みもあります。「はじめに」で引用した「文房具56話」では原稿用紙を便箋に使わないほうがいいと書かれているのですが、満寿屋の原稿用紙など、なかなかに味があって便箋として使っても面白い気がします。丸善の萬年筆物語も、元は原稿用紙ですが、便箋として使っても美しいと思います。知り合いから原稿用紙に書かれた手紙をもらいましたが、一般の便箋とは違って味があるように思いました。



カードを使うのも面白いですが、日本ではあまり見ないように思います。ただ、葉書と同じように、文章量がある程度一定しますので、手軽に書きたい時にはカードを使ってみると良いと思います。葉書よりは沢山書けますから、葉書以上便箋未満ぐらいの気持ちで使うとちょうど良いように思います。海外文通などではカードは大活躍ですが。

私が趣味の私信を書くときの便箋を選ぶ時に重要だと考えることは「自分が書く気になる便箋を選ぶ」ということです。相手に受け取ってもらった時に「綺麗だ」とか「季節感がある」と思ってもらう便箋も良いのですが、それ以上に何より自分が書く気になるものを選ばなければならないと思います。デザインが気に入らない便箋に書くのは苦痛ですし、紙質が良くない便箋は書く気が起きません。自分が書きたくなるようなデザインというのは大抵自分のセンスを反映しているものですから、そういう便箋に書いた手紙はデザインも含めて自分らしい手紙になります。

封筒については、一番手っ取り早いのは便箋のシリーズのものを使うものです。気に入った便箋と同じシリーズの封筒を使えば間違いはありません。但し、この方法はお金がかかるという難点があります。また、中の便箋に汎用性の高いもの(Lifeの活版便箋や丸善の3000番など)を使った場合、それに対応した封筒がないという場合も考えられます。

このような場合も含め、私は「茶封筒ではない汎用性の高い封筒」を使うことをオススメしています。茶封筒だとあまりに事務的に過ぎる気がするので、最低でも白封筒、出来ればカラー封筒にすると、少し見た目も違い、それでいて比較的安価にはじめられるかな、と考えます。封筒に書くものは通常「相手に送るために必要な連絡事項」だけですから、そこまで書き味にこだわっても仕方がないという面があるからです。

また、市販の封筒の場合、茶封筒とそれ以外の封筒(白・カラー封筒)では紙質が大きく異なり、茶封筒よりもそれ以外のほうが紙が丈夫であるという利点もあります(その分少しだけ値も張るのですが。例えば100円均一であれば70枚100円で茶封筒を買えるところが、カラー封筒だと30枚100円、白封筒だと40枚100円だったりします)。二重封筒という手もありますが、こちらの場合たまに便箋が入りにくいものがあるので(外側のサイズを定形に合わせて作るため、内側の封筒の厚み分だけ容量が減るのです)、分厚い便箋を使う場合には避けたほうが良いかもしれません(過去入らなかった経験が数度あります)。

最後に、便箋の会社を幾つか紹介しておきます。私の好みの便箋を挙げると紙質にこだわった万年筆用のものばかりになってしまうので、会社だけの紹介にとどめます。あまりに多いので、主に私が愛用しているところを。



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