音読するのは、超短編か、あるいは短編の中でも15ページ程度で終わるような短い部類に属するもの、古典、韻文が大多数です。名作の場合は出だしを、その他の長い話は場面を音読することがあります。
音読は学習にも重要であるとされますが、読み味わうのにも重要です。
・日本一短い「愛」の手紙一筆啓上賞
「今夜も電話を待っています。受話器に手を掛けて。ただ、待っています。」
・ルナール「蝶」(岸田国士訳)
「二つ折りの恋文が、花の番地を探している。」
・尾崎放哉
「流れに沿うて歩いてとまる」
・杜甫「月夜」の一節(黒川洋一の書き下し文より)
「何れの時か虚幌に倚りて 双び照らされて涙痕乾かん」
・兼好法師「徒然草」第109段を締めくくる一節
「あやしき下郎なれども、聖人の戒めに適へり。鞠も、難き所を蹴出だして後、易く思へば、必ず落つ、と侍るやらん。」
今昔、有名無名取り混ぜて5つほど挙げましたが、どうでしょうか。黙読するだけよりも、音読する方が味わえるように思いませんか?
大きな声でなくても、つぶやくような声でもいいから、音読して味わうことが、読書の一つの楽しみになると思います。読書の秋といいます。黙読ばかりでなく、音読も如何でしょうか。
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