2011年9月23日金曜日

一筆・一言

大きな災害の後で
もうなすすべなく呆然としているとき
自分自身に
もう価値がないと思ってしまうとき
世界中が
みんなみんな敵に見えるとき

一筆はそんなときの清流なのだね
一言はそんなときの良薬なのだね

私にはある
そんなときがある
ただ敵しかおらず
価値がなく
生きていたくないと感じる時が

そんな時の一言がどれほど嬉しかったろう
そんな時の一筆にどれほど救われたことだろう

なんでもいいんです
なんでもいいんです
ただ
自分の味方がいると
信じられればそれで

一筆は些細なことかもしれない
一言は誰しも出来ることかもしれない

でもそれは
隣人を死の淵から救える
友人をどん底から引っ張る
凍えた恋人を温める
そんな万能薬になる

誘いの一言は温かい
思いやりの一筆は染み渡る

僅かな味方と
その何十倍の敵がいて
私は今までの道を来た
少なくとも自分にはそう見えた
異端だったから
物事をはっきり言うから

一筆の手紙に救われた
一言の誘いに救われた

些細なことかも知れない
消え行くものかも知れない
ほかないものかも知れない
届かぬものかも知れない
それでも

一言を言いたい
一筆を書きたい

ただ、愛する者のために

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