2011年6月13日月曜日

誰も書かなかった中島みゆき論ベスト200を聞いてみよう その17

141位〜150位です。

あなたの言葉がわからない:141位。この曲のサビの部分に思うところがあります。「あなたの言葉がなんにもわからない、貴方に心がないのかと間違える。あなたの言葉がなんにもわからない、貴方がこの世にいないかと間違える。」というところです。言葉がある意味では顔をなしていて、それがわからないということは相手の顔、ひいては存在を見つけるのが難しくなるということだと思うのです。それは、我々が日本語を母語としない人と話す時でも同じことで、言葉がわからないがゆえの存在の捉え損ないに、なおさら注意せねばとも考えてしまいます。

Never cry over spilt milk:142位。覆水盆に帰らず、ということですが、過去は岩である、ということにも通じると思います。過去のことを今悔やんでも結局それは変わらない、覆水盆に帰らずなのだから、ということを歌った歌だと考えています。

店の名はライフ:149位。時と共に変わっていく一つの喫茶店の様子を描いています。その中には、学生がいた頃から少しづつ、人間味のある喫茶店から商売気の強い喫茶店になっていく情景があります。いろいろなところにある人と人との触れ合いが減って、店は機械のような状況に成り、誰ともしゃべらない日があるとさえ言われる現代。その流れを、学生たちを横から眺めて描いたように感じます。

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