kammyさんのコメントにありましたが、「言葉を大切にする」というのはどういう事なのか、自分なりにも考えてみました。
言葉を大切にするというのは
1.フレーズの意味をきちんと捉える
2.言葉の意味や語源を理解して適材適所に使う
3.言葉を無尽蔵に散らかさず吟味する
あたりのことを言うのでしょうか。
言葉選びは悩むこともありますが、無意識なものもあります。私の日常的なシーンとして、後輩をお茶に誘う機会がありますが、その時のフレーズは以下のとおりです。
A:〇〇君、よかったら今日、お茶を飲みに来ないかい?
B:〇〇君、今日、お茶でも一緒に飲まないかい?
C:〇〇君、今日都合がつけば、ちょっと一杯お茶でもどうだい?
冗談とかもろもろ考えるともっと多くのフレーズがありますが、ひとまずこの3つとしてみます。どれもおんなじようなことを言っているのですが、ニュアンスは全然違いますよね。
Aはお茶を飲みに来ることを最も推奨しているという感じを受けます。お茶を飲むということをして欲しい、という「お茶」に焦点を当てた勧誘です。
Bはお茶でも一緒に、ということから、一緒にいる、ということに重点を置いています。「お茶でも」いいから、とりあえず一緒に何かやらないか?という、勧誘です。
Cはほんとうに軽い、談話への誘いです。ちょっと一杯お茶でも、という言葉から「ほんの少し、軽く寄っていかないか」という感じを受けます。
これらのフレーズを選ぶとき、メールに何気なく書いていますが、自分の気持がよく出ていることに気づきます。無意識のうちにフレーズを選んでいます。
言葉遊びなども含めて、私はいろいろな言葉を選びます。時には古語を用いることもあります。解説文はかなり畏まります(古い本を多く読んでいるため、その影響もあります)。
可愛いと単に言うことが多いですが、あえて「ろうたし(苦労したい、苦労してもいいというほど可愛い。労したしから)」や「いとけなし(幼くあどけなくて可愛い)」を使うことがあります。詳しくと書かず詳らかにすると書くときがあります。なので、と言わず、しからば、というときがあります。
言葉選びは細かいニュアンスを知り、語源を知るほどに多くなり、それが増えるに従って語彙が増えていくものだと思います。語彙力推定テストを受けると、平均的に5万語超(大学生水準の少し上)をマークしますが、それは色々な本を読んで、気に止めたフレーズを使いたがる私の性格ゆえかもしれません。
日本語に関する書籍も面白く、特に「日本語を使いこなす言葉の実用辞典(小学館)」楽しく読めます。日本語をきちんと使いこなすことは単純ではなく、敬語を始め、色々な間違いを犯します。
でも、その間違いを大切に見て、なぜ間違いなのかを考えることで、言葉を大切にできるのだと思います。そして、言葉の本来の役目である、コミュニケーションも、言葉を大切にすることでより潤滑になります。
言葉を大切にすること。それは言葉を無碍に扱わないことだと思います。良く吟味して言葉を選ぶことが大切なのだと思います。
色々な本を読み、色々な詩を聞いて、造語などで遊んだりしているうちに、言葉を大切にする態度が備わってくるというのはよく言われる意見であり、私自身、言葉に触れる機会を多く持っています。そして、誤用については、自分の出来うる範囲で、なぜ誤用と思うのかを説明できるようにしています。それが、私の「言葉を大切にする態度」なのだと思います。
3 件のコメント:
kammyです
なるほど よくわかりました
達哉んの 言葉をよく吟味していることが
理解できました
私も相手にどう伝えたいか、とかこの人にはどう言えば響くかなどなど
言葉を吟味する過程はパズルを解いているようにわくわくします。
「ろうたし」は響きもよく味わい深い言葉で好きです。
そういう割にはちっとも使いこなせていませんが。
コメントが遅くなりました。申し訳ないです。
>kammy さん
それでもまだ「吟味している!」と胸をはれるようなことはなく、まだまだ言葉を考える日々ですが…。
>大阪のオバチャン さん
特に手紙を書いているとき、言葉選びというのはすごく考えますね。ちょっと気取った風味か、本音をさらけ出すように書くか、後輩相手なら先輩らしく書くか、それとも友人風に書くか…。言葉の一つひとつが文体につながるので、真剣に選んでいます。
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